レスタミンは「ジフェンヒドラミン」が有効成分の抗アレルギー薬です。
抗アレルギー薬の中でも比較的眠気が強く出ます。
この眠気を利用して製品化されたのが「ドリエル」です。
レスタミンとドリエルは中身がまったく一緒なので、ドリエルの代わりにはなります。
ドリエルと同じ用量にするには、レスタミンを5錠服用すればよいです。
しかし、レスタミンには適応に不眠がないのでやめましょう。
レスタミンとは
有効成分が「ジフェンヒドラミン」の抗アレルギー薬です。
本来は、じんましん、かゆみ、鼻炎などに用いられます。
市販薬では「レスタミンコーワ糖衣錠」「ドリエル」「トラベルミン」「新レスタミンコーワ軟膏」などに含まれている成分です。
レスタミンはなぜ眠気が出るのか
レスタミンは初期に開発された抗アレルギー薬で、第一世代の抗ヒスタミン薬です。
第一世代の抗ヒスタミン薬は効果がとても強力に出ますが、中枢に移行しやすい特徴があります。
中枢では覚醒状態を維持するための機能があり、レスタミンがここへの信号を遮断してしまうため、眠気が出やすくなります。
一方で、第二世代の抗アレルギー薬は、第一世代よりも改良されています。
中枢への移行が少なく、眠気の副作用が出にくいという特徴があります。
第二世代の抗アレルギー薬として有名な成分はアレグラです。
レスタミンの眠気の強さとその指標
レスタミンは中枢移行がよく、抗ヒスタミン薬として中枢でも働き、眠気を生じやすいです。
下記の表は、抗アレルギー薬が中枢へ移行したあとに、抗ヒスタミン薬としてどれだけ働いているかのグラフです。[1]
第二世代のアレグラなどに比べると、レスタミンは中枢への移行が優れているのがわかります。
ケトチフェンはレスタミンよりも強く、中枢で抗ヒスタミン作用を発揮しています。
ケトチフェンのほうが眠気は強いと思われますが、現在市販されていません。
レスタミンで眠気がでるかもしれない指標
以下のような項目に当てはまる場合は、レスタミンで眠気が出る可能性が高いです。
- 酔い止め薬で眠気がでた
- 花粉症や蕁麻疹の薬で眠気が出た
- 総合感冒薬(かぜぐすり)で眠気が出た
飲めば必ず眠気がでるのではなく、個々人の体質や体調などが関与します。
肝臓でレスタミンの代謝が早い人もいれば、遅い人もいます。
中枢へレスタミンが移行しやすい人、しにくい人もいます。
覚醒状態の維持に関してヒスタミンの割合が多いひともいれば、少ない人もいます。
眠気が出るかどうかは、最終的には飲んでみないとわかりません。
睡眠薬代わりなら、何錠飲むのが良いか
個々人の体質、体調などによって、レスタミンで眠気の効果が出る出ないに違いはでてきます。
一概にこの量を飲めば確実に効果が出るとは言えませんが、一般的な話であれば5錠服用すると良いでしょう。
データでは、レスタミンの血中濃度が25~50ng/mLの場合、眠気の副作用が比較的起こりにくいとされています。[2]
一方、血中濃度が60ng/mLを超えると、眠気が起こりやすいとされています。[2]
外国人のデータになりますが、レスタミンを5錠(ジフェンヒドラミンとして50mg)服用した場合、血中濃度は66ng/mLに到達しています。[3]
つまり、レスタミンを5錠服用すると、眠気の効果が出やすい血中濃度になるといえます。
最高血中濃度に到達するのが、服用後2~3時間後になるので、眠気のピークがでるのはそのタイミングだと思われます。
レスタミンを実際に飲んでみると眠気は出るのか
実際に飲むと眠気は出ます。
だいたい服用してから30分~1時間くらいで眠気が生じてきます。
起きていようと思えば起きていられますが、目を閉じたくなる感じです。
私は2錠で十分眠気が出るのですが、5錠飲んだら翌日の昼まで持ち越します。
頭がぼんやりしていて、明らかに集中力、判断力が落ちている感じがあります。
下記の方は3錠で眠気が出ているといっているので、やはりレスタミンは個人差があります。
レスタミンを睡眠薬代わりに使用することについて
そもそもなのですが、レスタミン自体は睡眠薬として作られていません。
睡眠改善薬として作られているのがドリエルなので、そちらを使用してください。
抗ヒスタミン薬を単発で睡眠薬代わりに使うのであれば、ほぼ問題は無いと思われます。
しかし、ドリエルであっても、長期にわたって使用するのは推奨しません。
認知機能の低下が起きたり、太りやすくなったり、眠気がなくても判断ミスが生じやすくなるためです。