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越婢加朮湯で痩せることは可能なのか?

漢方薬をダイエット目的で服用する場合、有名なのは「防風通聖散」「防已黄耆湯」「大柴胡湯」があります。

これらの漢方薬は肥満に適応があり、その効能も認められています。

「越婢加朮湯」は腫れた関節炎など、冷やすと良くなる症状に使用される漢方薬であり、肥満には適応はありません。

「越婢加朮湯」で痩せる可能性がある理由としては、成分の一つである「麻黄」が多く含まれていることや、「蒼朮」による利尿効果が期待できることが挙げられます。

では実際に越婢加朮湯で痩せるのかというと、可能性はあります。

目次

越婢加朮湯に含まれている生薬

越婢加朮湯は7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.25gを含有しています。

  • 石膏 8.0g
  • 麻黄 6.0g
  • 蒼朮 4.0g
  • 大棗 3.0g
  • 甘草 2.0g
  • 生姜 1.0g

ここでは越婢加朮湯の効能効果などではなく、ダイエットに関係ありそうな構成生薬の「麻黄」「蒼朮」にフォーカスを当てます。

麻黄の効果

麻黄の地上茎から作られる生薬です。

主な成分は、「エフェドリン」「プソイドエフェドリン」です。

これらの成分のうち、主にダイエット効果が見込めるのは「エフェドリン」です。

プソイドエフェドリンはエフェドリンに比べて、中枢作用が弱いためです。

エフェドリンが中枢で作用を発揮すると食欲抑制作用などが出てきます。

また、脂肪細胞に働きかけ、脂肪の燃焼、発熱を促す効果もあります。[1]

エフェドリンを摂取できる麻黄は、痩せる可能性がある生薬といえるでしょう。

蒼朮の効果

オケラの根茎から作られる生薬です。同じような生薬に「白朮」というものがあります。

「蒼朮」と「白朮」はほとんど一緒と思っていただいて良いです。

主な成分は、アトラクチロンやジアセチルアトラクチロジオールなどがあります。

これらが利水作用を持っており、余分な水などを排出したり、体内の水分量調節を行ったりします。

利水作用をもつ漢方で有名な「五苓散」「防已黄耆湯」にも蒼朮・白朮が含まれています。

浮腫みが改善することで、血の巡りが良くなり、代謝が良くなる可能性があります。

麻黄に含まれるエフェドリン量

麻黄は生まれ育った大地によって、エフェドリンの含有量に差があります。[2]

かなり大雑把にいうと、麻黄に1.3~1.5%くらいの「エフェドリン」「プソイドエフェドリン」が6:4くらいで含まれています。

麻黄1gあたりに、エフェドリンが8.4mgくらい含まれています。

越婢加朮湯1日分で摂取できるエフェドリンの量は、約50.4mgと推定できます。

クラシエのデータでは麻黄1gあたり、エフェドリン量が4mgくらいの値です。[3]

そのため、越婢加朮湯1日で摂取できるエフェドリン量は実際には少ない可能性があります。

エフェドリンの1日量

通常エフェドリンとして服用できる1日用量は75mgです。増減ができるのでそれ以上でも問題ない場合もあります。

エフェドリンで痩せれるのか

エフェドリン服用により痩せられるというデータはあります。[4]

プラセボ(偽薬)と比較して、エフェドリンで1ヶ月0.6kg減量しています。

また、エフェドリンとカフェインを合わせて服用すると、1ヶ月で1.0kg減量しています。

エフェドリン単体より、カフェインも含めることで、より脂肪燃焼が効果的に起こるようになっています。

越婢加朮湯で痩せられる可能性はあるのか

越婢加朮湯は「麻黄」「蒼朮」だけでなく、ほかの生薬も含まれています。

生薬は単品で服用したときより、組み合わせることでシナジーを発揮し、効力が高まることが知られています。

越婢加朮湯で服用した場合、エフェドリン単体よりも痩せる可能性はあるかもしれません。

そのため、越婢加朮湯の服用で痩せられる可能性はありますが、以下のような事項は注意したいです。

エフェドリンを大量にとると気持ち悪さ、むかむか、などが起こりやすくなります。

加えて、動悸や手の震えなどもでてくることがあります。

日常生活で明らかにうざったいと思う症状です。

また、漢方薬自体が苦手な人も多いため、継続的な服用が難しいケースも多いでしょう。

もっとも注意が必要な点は、エフェドリンを大量に摂ると心血管系の問題や不整脈などが起こる可能性も否定できないことです。

アメリカではやせ薬として麻黄が含有されたエフェドラというサプリメントが、死亡事故などをうけて販売中止になっています。

越婢加朮湯で摂取できるエフェドリン量だと、そのような事態は起こらない可能性が高いですが、留意したい点です。

参考資料

[1] Astrup A, et al. Pharmacology of thermogenic drugs. Am J Clin Nutr. 1992;55(1):246S-248S.

[2] Tanaka T, et al. Comparison of the constituents of ephedra herbs from various countries on ephedrine type alkaloids. Natural Medicines. 1995;49:418-424.

[3] マオウ配合製剤 品質一定化への取り組み

[4] Shekelle P G, et al. Efficacy and safety of ephedra and ephedrine for weight loss and athletic performance: a meta-analysis. JAMA. 2003;289(12):1537-45.

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